自分の人生を納得するために、ブログに記録してまとめて振り返ってみようと気持ちを入れ替えたら、家が売れてしまった。
ブログを書いて遊んでいる場合ではなくなってしまったけれど「住む家を替える」なんてこれ以上のリフレッシュはないだろう。
捨てられずにしまっておいた不要のものとか、思い返すべき大切なこととか、持ち物を確認しながら人生を振り返るという、大いなる好機が訪れたらしい。
国立公園の中に建っている我が家
とても気に入っていたのに、雪があまりに多すぎて・・・
残念だけど引っ越すことになってしまった
コロナ禍も少し落ち着いて、渡航の自由になった外人さんたちが日本の物件を物色している。円安なので熱も入るのだろう。
私の住むリゾート高原も、雪質の良さが外人さんを魅了しているらしい。豪雪だからこそ価値のある場所のひとつ、それが赤倉なのだろう。そして山の蓄える雪は、春になればここを豊かな穀倉地に変えるのだ。
どうも、人気の高いニセコはいっぱいいっぱいなので、他の人気スポットのひとつになっているらしい。
歴史の先生が言っていた。
「別荘地として金持ちは軽井沢を好むが、変人は赤倉を好む」
私は思うのだ。
スキー場として金持ちはニセコを好むが、変人は赤倉を好む
こんな僻地の豪雪地を好むのは、そりゃぁ変人だろう。かくいう私もその変人の一人だけど、ここはスキー目的がなくても変人を惹きつける場所らしい。
社会と隔絶されたこんな奥地は、確かに変人の聖地かもしれない。過去に多くの変人たちが訪れているらしい。岡倉天心もこの地を「東洋のバルビゾン」と称して晩年の地とした。ここは特別な気の流れる場所だ。
そういえば、フランス帰りのお隣さんが言っていたのだけど、「岡倉天心」とか「新渡戸稲造」など日本の精神道を語る人の話は、日本よりフランスの方が理解している人が多いらしい。忘れさられた日本人の精神は、フランス人がリスペクトしてくれるのだとか。
岡倉天心の精神がつまった「茶の本」はAmazonのキンドルで0円で売っている。無料版はボランティアさんのおかげかな?ありがとう!
修験者も癒した温泉の宿は、古くから多くの人を惹きつけてきたらしいけど、今では地球の裏側の人まで惹きつけているらしい。
だからといって、一般人がここで普通に生活できるかといえば、それは難しい。岡倉天心の「バルビゾン計画」がとん挫したのも、多すぎる雪が原因だろう。
ここはレジャーや温泉を売る人たちが、雪と天然温泉を資源にサービスを提供していくエリアだ。冬はここで雪かきに精を出すことで多くを稼ぐことができる。夏は別の世界で稼げばいい。
遊びの提供者たちが、母国語でプロモーションして人々を呼び込むので、シーズン中ここは多国籍エリアとなる。
町人みんな自己責任な経営者。自発的な環境は私にとって理想的だったと思う。
そんなわけで、こんな豪雪地の個人物件だけど、売れてしまった。
山での薪割り生活はたっぷり堪能したので、今度は海暮らしを楽しむことにする。一級の小型船舶操縦免許を持っている夫はボートまで購入してワクワクしているようだ。
アカシアの花の下で過ごしたこの上もない幸福を思い起こすために、プロモーションのためにつくったページを捨てずに残しておきたい。
私の人生で、一番の幸福感を味わうことのできた、夢のような時間と空間。
多くのインスピレーションをいただいた、美しき霊山と国立公園。
私の愛したこの場所に、ステキな長身の英国人紳士と知的な日本人の奥さまが住んでくれることになった。
仲介して縁を結んでくれたのは、フランス人のナイスガイだった。
この組み合わせ、まるでジュール・ヴェルヌのあの感動の旅行記のようだ。
あいにく奥さまはインド人ではないけれど、アジア人にはちがいない。ご夫婦の縁は香港にあるので、物語のイメージとよく重なる。もちろん、そこにどのようなドラマがあったのかを、私は想像することもできないのだけどね。
このダイジェストはYouTubeサイト
埋め込み動画です
ともあれ、そんなわけで引越しが始まる。
これまでの生活のゴミをみんな処分したい。しばらく忙しくなるので、ブログの書き込みはできそうもない。